現場力を磨き、照らされる一隅へ
創業からの道のり
当社は1954年、大津市粟津町にて金属プレス加工を手がける「湖南鉄工所」として創業しました。その後、鉄のスクラップ回収のご依頼をきっかけに三洋電機とのご縁が生まれ、洗濯機のプレス部品製造を開始。1961年には合弁会社「湖南電機」を設立し、洗濯機の部品製造から組立までを一貫して行う工場として、年間60万台を出荷するまでに成長しました。
1965年には社名を「湖南鉄工所」から「湖南精工」に変更。さらに、1963年に「近江精機」、1967年に「大正電機」を相次いで設立し、設計・成形・鋳造・板金・塗装・組立までを一貫対応できる総合部品メーカーへと発展しました。2009年には湖南精工・近江精機・大正電機の3社を統合し、2015年には草津工場と甲賀工場を統合した「甲賀ファクトリー」を操業開始しました。

湖南電機においては、三洋電機の洗濯機事業が中国・ハイアールの傘下となったことを受け、2011年12月よりAQUAブランドの製造を開始。現在では、国内向け及び輸出用の大型・小型業務用洗濯機の幅広い製造を手がけています。
2023年には湖南グループのすべての工場を甲賀に集約。そして、2024年6月には創業70周年を迎えることができました。高度経済成長期、オイルショック、バブル景気、リーマンショックなど、幾多の時代の変遷を乗り越え、節目を迎えられたことを大変嬉しく思います。
創業70年を超え、次の時代へ
かつては頂いた図面通りのものを造ることが主な業務でした。しかし、社内の技術力向上により、現在では設計・開発の段階から、性能・効率・コストを含めたご提案が可能となりました。お客様のご要望に応じ、コンピューターシミュレーションだけでなく、現場で実際に手を動かしながら検証を行っており、その泥臭い“熱さ”と、多数の技能検定技術者をはじめとする社員一人ひとりが支える“確かな品質”こそが、当社の強みとして高く評価されていると自負しております。
10年以上前から取り組んでいる「工場まるごと洗たく活動」、通称「まる洗活動」は、工場の5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を徹底し、現場環境の改善を目指す活動です。社員が主体となり、継続的に取り組んできた結果、工場の衛生環境向上や生産効率の改善が進みました。さらに、オープンファクトリーや家族参観日などのイベントを通じ、地域の方々を安心してお招きできる「胸を張れる工場づくり」を目指しています。

求められるのは「攻める力」
創業70周年という大きな節目を超え、当社は100年企業を目指して新たな挑戦を始めています。これまで積み重ねてきた現場力をさらに磨き上げるとともに、時代の変化に対応し、より柔軟で革新的な発想を取り入れることが必要です。
これからの企業には、現状維持ではなく、「攻める力」が求められます。当社においても、ものづくりの技術を磨きながら、既成概念にとらわれず、新たな価値を生み出す挑戦を続けていきます。そのためにも、社員一人ひとりが自ら手を挙げ、新しいことに取り組める環境を整えることが重要です。最近では積極的にチャレンジする社員も増えており、当社の未来を支える原動力になっています。
製造業としての技術力はもちろん、社会貢献や知名度の向上にも力を注ぎ、甲賀市のみならず、他方からも「湖南グループあり」と認められる存在を目指してまいります。そして、照らされる一隅となるべく、社員一同、今後も努力を重ねてまいります。
湖南グループ 代表取締役
金原 宣秀